【第4章】「守り」と「攻め」の分割利確
結論:一部を先に利確して“気持ちの安全圏”を作り、残りで伸ばす。
これだけで、欲で遅れる・怖くて早すぎるの両方を減らせます。
目次
なぜ分割利確が効くの?
- 心理的余裕:先に利益を確保すると、欲や恐怖に振り回されにくい。
- 相場の不確実性に適応:全部当てるのは無理。半分当たればOKの設計に。
- トレンド追随:残り玉をトレーリング(追尾の損切り)で“伸び”に賭けられる。
用語:トレーリング=価格の進みに合わせて損切りラインを切り上げる/下げる手法。
基本レシピ(3パターン)
あなたの性格と銘柄のボラで型を固定しましょう。
- 50/50(標準)
- 先に+1R or +20円で50%利確 → 残り50%を伸ばす
- 30/70(積極派)
- 30%を早め確保(+0.7〜1R)→ 70%を引っ張る
- 25/25/50(分散派)
- 小さめに2回確保 → 最後の50%でトレンド勝負
R=リスク1単位(= エントリーと損切りの幅)。例:損切り幅20円なら1R=20円。
200株の具体例(平均2,800円エントリー)
- 前提:損切り(S)= 2,780円(幅D=20円、1R)
- 先行利確:+20円(2,820円)で100株を利確 → +2,000円確定
- 残り100株:
- 損切りを建値(2,800円)へ引き上げ(ブレークイーブン)
- 2,820円超で直近の押し安値-5円をトレーリング
- 強い抵抗帯(例:2,850〜2,860円)では一部 or 全部利確を検討
→ 下がっても損はゼロ(手数料/税除く)。上がれば伸びを取れる。
トレーリングのやり方(かんたん版)
- スイング安値/高値で追う
- 5分足の直近押し安値−5円(買いの場合)に逆指値
- 移動平均で追う
- 5分足EMA20を終値割れで撤退
- 固定幅+バンド
- +15円ごとに逆指値を**+10円**切り上げる 等
どれか1つに固定してください。併用は迷いの元。
IF-THEN(そのまま使える)
IF 先行利確(+1R)を達成
THEN 残り玉の損切りを建値へ切り上げ、以後はプラス圏でのみ決着
IF 主要抵抗帯(例:2,850〜2,860)に到達し、板の売りが厚い
THEN さらに50%を利確し、残りはトレーリング継続
IF トレーリングで約定(押し目割れ)
THEN 追いかけず終了。次のセットアップまで待機
OCO/逆指値の発注テンプレ
- OCO(指値利確+逆指値損切り)で先行利確を自動化
- 先行利確が約定したら、逆指値を建値へ即座に変更
- 板薄・イベント時は成行優先(滑りより生還)
使いどころ/使わないどころ
- 使う:朝イチの急騰、ボラ大、板が薄く伸びる局面、節目手前
- 避ける:レンジ内の小動き(伸びにくい)→すべて短期回転でOK
よくある失敗→対策
- 先行利確が遠すぎ:+1.5R以上ばかり狙って未達→反転
→ +1R or +20円など現実的な幅に固定。 - 利確後に建値へ上げない:一気に含み益ゼロ→損
→ 自動で建値へ(ルール化)。 - トレーリングの基準がブレる
→ スイング安値-5円など数値化して固定。
チェックリスト(エントリー前10秒)
- 先行利確の幅:+1R or +◯円
- 残り玉の建値引き上げ条件:先行利確約定時
- トレーリング基準:スイング安値/EMA20/固定幅(1つ)
- 抵抗帯の追加利確:**価格帯◯◯**で◯%利確
スプレッドシート式(コピペ)
- 先行利確価格
= エントリー + 1R(買い) - 建値移動フラグ
= IF(先行利確が約定, TRUE, FALSE) - トレーリング価格(スイング方式例)
= 直近押し安値 - 5
- 残玉評価損益
= MAX(0, 現値 - 建値) × 残株数
まとめ
- 先に少し取る → 残りで伸ばす。
- 建値引き上げとトレーリングを自動化/固定化すれば、
利益を守りつつ**“伸びる時だけ大きく勝つ”**が可能になります。
免責:本記事は学習目的の一般情報です。投資判断はご自身の責任で行ってください。
