【第3章】損切り後こそ勝敗が分かれる—休む・立て直す・再構築
結論:損切り直後に“取り返しに行く”のが連敗の入口。
一度休んで、シナリオを立て直してから再開するのが正解です。
目次
なぜ“休む”が正解?
- 損失直後は感情(悔しさ・焦り)>ルールになりやすい
- 判断が雑になり、根拠のないエントリー→さらに損失の連鎖
- いったん距離を置くことで、最初の計画(シナリオ)に戻れる
用語:リベンジトレード=損をすぐ取り返そうとして無理な売買をすること
クールダウン・プロトコル(テンプレ)
3つのステップを“機械的に”実行:
- タイマー20分:チャートから目を離す(席を立つ/水分/伸び)
- HALTチェック:Hungry/Angry/Lonely/Tired(空腹・怒り・孤独・疲労)
- 1つでも該当→その日は終了かサイズ半分に
- 損切りの再確認:
- ルール通り切れた?(はい/いいえ)
- シナリオはどこで崩れた?(価格・時間・出来高の具体)
20分が長ければ10〜15分でもOK。席を立つことが大事。
損切り後チェックリスト(印刷OK)
- 切った理由が“崩壊ポイント割れ”だった(感情ではない)
- 地合い:指数・セクターが逆風では?
- 出来高:割れに出来高増が伴った?(弱さが確定)
- 再エントリーの形:戻り売り/再上抜けのどちらを狙う?
- サイズ:次のトレードは**前回の50〜70%**に縮小
- 日次上限:当日の損失が許容(例:最大3Rまたは資金の3%)を超えていない
- 時間:同じ銘柄にすぐ入り直さない(最低1本=5〜15分は空ける)
再エントリーの条件づくり(IF-THENで固定)
IF 割れた支持線(例:8,800円)を出来高を伴って「再度上に奪回」し、
直近高値手前で押し目を作った
THEN 押し目で小さめサイズ(前回の50–70%)で再エントリー
IF 割れ後の戻りが弱く、レジサポ転換で頭を抑えられた
THEN 戻り売りのショート(または見送り)を検討
IF 連続で2回損切り(2連敗)
THEN その日は終了(デイリーロス上限到達扱い)
サイズとリスクの“再設定ルール”
- 次トレード=サイズ半分(またはリスク%を半分)
- 勝てたら元サイズへ戻す/負けたら終了
- 分割利確を前提に:前半は小幅で確保、後半は伸ばす(次章で詳述)
例:通常リスク2%→損切り直後は1%。
株数で調整して崩壊ポイントは動かさない(Sは固定)。
ケースイメージ:川崎重工を8,800円で損切りした後
- 休む:20分
- 反省メモ:
- 崩壊要因:押し安値割れ+割れに出来高増
- ルール遵守:YES
- 再シナリオ:
- パターンA:8,800円を出来高伴って奪回→押し目買い(サイズ半分)
- パターンB:8,800円が上値の壁→戻り売り or 見送り
- 条件が出るまで触らない(“待つ”もトレード)
すぐに使える「取引後メモ」テンプレ
### 取引後メモ(テンプレ)
- 銘柄/日時:
- セットアップ(狙い):
- 崩壊ポイント(S):
- エントリー(E)/損切り約定値:
- ルール遵守:はい・いいえ(理由)
- 感情メモ:悔しさ/焦り/怖さ(0〜5)
- 次の行動:休む(20分)・サイズ半分・本日終了
- 再エントリー条件(IF-THEN):
- 学び一行:
KPI(数値で可視化)
- ルール遵守率=「IF-THEN通りに実行した回数/総トレード」
- 連敗ストップ率=「2連敗で終了を守れた割合」
→ 勝率より優先して管理。ここが上がると自然にPFも改善。
よくある“落とし穴”→回避策
- 同じ銘柄にすぐ入り直す → 最低1本空けるルール
- チャートを睨み続けて熱くなる → 画面から離れる/スマホは伏せる
- サイズを元に戻すのが早い → 1勝するまで半分のまま
- 日次上限を超えて続行 → アラート設定(スマホ/取引ツール)
まとめ
- 損切り直後は休む→見直す→再構築が勝ち筋。
- IF-THENで再エントリー条件を固定し、サイズを半分に。
- 2連敗したら終了。口座を守ることが、次の“チャンスを伸ばす力”につながります。
免責:本記事は学習目的の一般情報です。投資判断はご自身の責任で行ってください。
